レシチンの効果/ホスファチジルコリンとの違い

レシチン(lecithin)とは

レシチンはリン脂質を含む製品の総称であるが、以前はリン脂質の1種であるホスファチジルコリンのことを指していた。ホスファチジルコリンは、動植物中に存在するリン脂質のなかで最も多く含まれているリン脂質であり、いつの間にかそれをレシチンと呼ばずにリン脂質全般をレシチンと呼ぶようになった。

レシチンの名前の由来

元々、ホスファチジルコリンは卵黄から初めて分離されたため、ギリシャ語で卵黄を意味するλέκιθος(レキトス)からレシチンと名付けられた。しかし、今ではその名前では呼ばず、ホスファチジルコリンと呼ぶ。

ここで注意したいのが、今でもホスファチジルコリンをレシチンと呼んでいる場合があるため、レシチンがホスファチジルコリンを指しているのかリン脂質を指しているのか判断しなければならない点である。

レシチンの種類

レシチン(リン脂質)製品は原料によって主に2種類に分類され、卵黄レシチン大豆レシチンに分けられる。市場に出回っているのは製造費が安価な大豆レシチンが多い。卵黄に含まれるリン脂質は約9%で、そのうちホスファチジルコリンは約84%含まれる1)大豆に含まれるリン脂質は約2%で、そのうちホスファチジルコリンは約40%含まれる。このように原料によってレシチンの組成が異なるため、若干作用は異なる。

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レシチンの効果

1.記憶力や学習能力の向上と認知症の予防

レシチンにはホスファチジルコリンが入っていることが多いため、コリンの供給源になることでアセチルコリンの生成に役立つ。アセチルコリンは神経伝達物質であり、脳神経や交感神経、運動神経おいて重要な物質である。円滑に刺激を伝達するために必要なアセチルコリンの生成が記憶力や学習能力の向上につながる。また脳はホスファチジルコリンをはじめ多くのレシチンによって構成されており、レシチンの摂取は脳機能を維持し、認知症やアルツハイマーを予防する可能性がある。

2.動脈硬化予防・コレステロール値の改善

レシチンはコレステロールを運搬するリポタンパク質の構成成分である。レシチンを摂取するとHDL(善玉コレステロール)が増え、LDL(悪玉コレステロール)が減り、動脈硬化や脂質異常症(高脂血症)の予防・改善につながる。

3.肝機能の改善

脂肪肝や肝硬変の予防効果があるとされる。

4.美肌効果・ニキビ予防効果

レシチンの乳化作用により、血液中でコレステロールが固まるのを防ぎ、体の血液循環が良好になり肌の健康につながる。

レシチンの他用途

レシチンは食品としてだけでなく、塗装、化粧品、製薬など他の産業でもよく用いられる物質である。詳しくは以下の記事に載っているが、レシチンは両親媒性であるため水と油の両方になじむ。そのため乳化剤や界面活性剤としても働き、かつ無毒であるため塗装業界だけでなく食品添加物などにも使える有用な物質である。

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ホスファチジルコリンとは

細胞膜の主要構成成分で、動植物中に最も多く含まれるリン脂質である。アセチルコリン生合成経路におけるコリンの供給源でもある。1845年にフランスの化学者で薬剤師のセオドア・ニコラス・ゴブリーによって初めて分離され、レシチンと名付けられた。構造を極めて簡易的に表すと下図のようになる。ホスホコリンと2本の脂肪酸がグリセロールにエステル結合している。

参考文献

1) 奈良部 均,リン脂質-工業的生産の現状と将来-,油化学,41(9), p. 897-902.

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